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GARMIN サイクリングダイナミクスについて
日々フィッティングなどを行なっていると、さまざまなパワーメーターを使われている人に出会うわけですが、実際話を聞いてみると、あまり使いこなせていない印象。
そして”POWER”という言葉や”FTP”という言葉が一人歩きしていて、どう身体を動かすか、ペダリング動作を行うかということを少々忘れがちであるという印象です。
例えばFTP380Wの選手とFTP330Wの選手がいたとして、ペダリングの伝達効率の良し悪しや、乗車フォームでその50Wの差を埋めることが出来る場合もあります。
またロードレースにおいては、戦略的な部分や、集団走行においてのバイクコントロールやコーナリング能力も必要とされるため、さらにそういった数値化出来ない技術でもFTPの数値以下のリザルトを生むことも、それ以上を求めることもできるということです。
実際のレースでの走行テクニックは、日本のレースで学ぶことは少し難しいのですが、手前味噌なのですが弊社が主催するロードレースアカデミーなど、正しい方向性で学んでいけば上達は早いはずです。
さて前置きが長くなってしまいましたが、今回まず一般的なこととしてまず出来る(知識として役立てる)ことに目を向けて行きましょう。
パワーフェーズはペダリングにおけるトルクのかかり始め、終わりを表示しています。パワーフェーズの中の太線部分は、出力の50%が生み出されているエリアを示しています。簡単に言うと一番力が掛かる部分です。これがどこが良い悪いというのも、個人差があるので今回は触れません。
プラットフォームセンターオフセットはペダル面に対するトルクの分布を表示します。
プラットホームセンターオフセットに関しては、かなり個人差がありますので極端にプラスマイナス10以上離れなければ問題ないと考えます。落車や身体の不調などで、いつもと違う数値で推移するときがあったりしますがこれを見極め、正しい改善方法はなかなか見つけられないと思うので、そのような時はコーチや第三者に相談することではないでしょうか。
一般的なライダーがまず見るべきところは、パワーフェーズであると考えています。プラットフォームセンターオフセットに関しては、様々な要素が絡み合うので、より専門的な知識が無いと判断を誤ってしまうのです。
実際に例を挙げて見ましょう。
しっかりサドルやクリートポジション合わせた場合とそうでない場合のパワーフェーズ。
フィッティング前
踏み出しの位置が全体的に左は7度、右は5度変わりました。
より正しく踏めてる時は0時より少し前から積極的に入力が行われています。微妙な違いに見えるかもしれませんが、これが4時間5時間と続くと大きく、疲労感に影響します。
これはフィッティングや身体の使い方を教えてすぐなので、また時間が経って慣れて来るとより安定感のあるペダリングになっていきました。
「ペダリングの入力位置は高い位置から」ここが可視化されることは素晴らしいことで、この情報からポジションやペダリングのトライアンドエラーが可能になります。
もちろんクリート調整だけでなく、体の柔軟性やアライメントでこのようなことが改善されることはありますし、そもそもペダリングの左右差が限りなくゼロに近づけばいいのかというと、人それぞれの身体のことなので違いますが、適性ポジションで走ることがまず何よりも近道だと言えます。
もちろん正しい身体の動かし方の意識が必要なのですが、ペダリングは技術の前にポジションである程度のペダリング技術レベルへ持っていくことが出来ます。
逆に言うと、僕でもサドルの高さが5mm間違っていれば効率は確実に落ちますし、膝に痛みも出る場合がありますので、そもそものポジション合わせが重要で、少しずつ身体の柔軟性を向上させたり、ペダリングを学びながら継続的にレベルアップしていかないと、上達しないというのも事実です。
なかなか多機能すぎて使いこなすのが難しいかもしれませんが、一つ一つ理解が深まると、自らの身体の進化も感じることが出来る、とても素晴らしいツールだと思います。
パワーメーターは競技者のためのものという、先入観をお持ちの方も多いと思いますが、決してそんなことはありません。ロスなく一定パワーを出すことは低強度のロングライドに役立ちます。
是非ともGARMIN VECTOR3を使ってご自身のペダリングチェックを行い、ガーミンコネクトで検証して見てはいかがでしょうか。